日本学生支援機構の奨学金は、1種と2種がありますが、どのように違うかご存知でしょうか。利息の違いや貸与金額、申し込み基準の違いなど様々な部分が違います。
日本学生支援機構の奨学金の第1種と第2種の最も大きな違いと言える部分が「利息があるかないか」です。
とはいっても、大学や専門学校に在籍している期間はどちらも利息はかかりません。卒業と同時に第2種だけ利息が発生します。利息は最大で年利3%になりますが、実際には年利0.5%~1%程度です(固定金利型と変動金利型のどちらかを選択可能で、変動金利型にした場合の上限が3%)。そのため、第2種奨学金を4年間、月々¥50,000の貸与額で受給し続けていたとすると、合計の貸与額は¥2,400,000となります。年利が1%だとすれば、利息も含めた総返済額は¥2,597,188です。借りた金額よりも最終的に¥197,188多く返済することになります。約20万円ですね。大金に感じるかもしれませんが、返済にかかる数年~十数年という期間を考えれば、そこまで大きな違いにはなりません。
貸与金額も第1種と第2種では変わります。
毎月指定口座に振り込みという部分ではどちらも同じですが、その貸与月額の中から選べる金額が変わります。
下記の中から選ぶことができます。
第1種でも第2種でも、貸与月額によって支払い回数が変わります。
第1種の場合最大で18年間の216回払い
第2種の場合最大で20年間の240回払いになります。
22歳で大学を卒業したら、42歳になって支払いが終わるということです。
利息がない分、第1種奨学金の方が厳しい基準になっています。
第1種奨学金は、「優れた学生で、経済的な理由で修学が困難」なおかつ「評定平均が3.5以上」という明確な数字があるのに対し、第2種奨学金は「成績が平均水準以上」または「特定の分野に優れた資質能力がある」または「学修意欲があり、学業を修了できる見込みがある」のどれかひとつに該当すればよいという、抽象的でゆるやかな基準になっています。また、家計基準も第1種の方が厳しく、予約採用(4人家庭の場合)に関していえば、第1種の所得上限額は¥7,810,000であり、第2種の所得上限額は¥11,240,000になります。
第1種奨学金にしても、第2種奨学金にしても、月々の貸与が始まるのは入学後の5月以降です。そのため、この奨学金を入学金や前期の授業料、いわゆる「初年度納入金」に充当することはできません。進学においてもっとも高額な費用が発生するのが入学時ですので、この部分に関しては日本学生支援機構をあてにせず、各五家庭で準備するか、国の教育ローンなど、別な方法で資金を調達することも視野に入れる必要があります。
ちなみに日本学生支援機構には「入学時特別増額貸与奨学金」という制度もあります。名称に「入学時」という文字が入っているので、入学金にあてられると考えてしまう方もいますが、実際には、希望者に対してはじめの貸与額に¥100,000~¥500,000を増額して振り込むというものなので、これも実際に入ってくるのは5月ということで、入学金にあてることはできません。