奨学金の返済額は、利用する奨学金制度によって、それぞれ異なります。また、返還の方式によって、月々の返済額は変動します。今回は、日本学生支援機構の奨学金を例に「奨学金の返済額」について、説明したいと思います。
日本学生支援機構の奨学金は、自宅から通学するか、自宅外(一人暮らし、または寮)で通学するかによって、月々の支給額が異なります。この結果、4年間の貸与額も大きく異なっています。
国公立大学に通う学生が「4年間第一種奨学金を利用した」場合、自宅通学者は、毎月12,857円の奨学金を14年掛けて返済する必要があります。また、自宅外で通学する場合は、毎月13,600円を15年掛けて、返還します。
私立大学の場合は、さらに月々の貸与金額が大きくなります。私大に通う自宅通学者の場合、月14,400円の返済を15年続ける必要があります。また、自宅外の場合は、月14,222円の返済を18年もかけて続ける義務が生じてきます。
貸与される金額 | 月々の返済額 | 返済年数 |
---|---|---|
国公立・自宅通学者 月額 45,000円 |
12,857円 | 14年 |
国公立・自宅外通学者 月額51,000円 |
13,600円 | 15年 |
私立・自宅通学者 月額54,000円 |
14,400円 | 15年 |
私立・自宅外通学者 月額64,000円 |
14,222円 | 18年 |
もちろん、家計に余裕があれば、繰り上げ返還で、早めに全額返済することも可能です。
短大や専修学校は、学ぶ期間が短くなる分、月々の返還額も少なくなります。例えば、国公立の短期大学に2年通学した場合、自宅通学者は月7,500円を12年かけて返還します。また、自宅外の場合は8,500円の金額を同じく12年かけて返すことになります。
私立大学や専門学校の場合、自宅通学者は8,833円を12年、自宅外の場合は9,230円を13年掛けて返還します。
第一種奨学金を利用できれば、月々の返済額や返済総額は、比較的少なく抑えられます。しかし、大きな借金をしていることには変わりありません。
卒業後、返済負担が大きくならないよう、進学前にきちんと「今後の返済について」計画を立てる必要があります。
第二種奨学金の場合、貸与金額は、30,000円・50,000円・80,000円・100,000円・120,000円と、それぞれ異なります。
貸与される金額 | 月々の返済額 | 返済年数 |
---|---|---|
月額 30,000円 | 11,293円 | 13年 |
月額50,000円 | 16,769円 | 15年 |
月額80,000円 | 21,531円 | 20年 |
月額100,000円 | 26,914円 | 20年 |
月額120,000円 | 32,297円 | 20年 |
奨学金の返済額は「学生の卒業後の生活を決める」大きな問題です。卒業後に生活苦に陥らないよう、できるだけ「経済的負担の少ない」奨学金制度を利用してください。