奨学金の返済が難しい場合、早めに奨学金窓口に相談をしましょう。経済的な理由、病気や事故、進学などの理由であれば、返還の猶予や一部、免除が認められることがあります。
今回は、日本学生支援機構の奨学金を例に、返還の猶予について説明しましょう。
日本学生支援機構の奨学金以外でも、貸与型の奨学金では、その多くが返還の猶予を認めています。返済が厳しいときには、早めに奨学金窓口に相談してみてください。
日本学生支援機構の奨学金では、以下のような理由があれば、返還期限の猶予を受理しています。
・ 疾病や災害、事故に遭われた方 ・ 失業や経済困難な状況にある ・ 育児や産休中の方 ・ 生活保護を受給中の方 ・ 別の学校への進学で、返済が難しい
このほかにも、第一種奨学金の「所得連動返還型無利子奨学金」を利用している方は、経済状況に応じて一定期間、返還の猶予が認められています。
平成26年の3月末まで、猶予の期間は通算5年と決められていました。しかし、26年の4月より通算10年(120カ月)まで、猶予の期間が延長されました。失業などで返済が厳しい方、さまざまな理由で返済が難しい方は、早めに猶予の手続きを行ってください。
また、次の理由で猶予を申請される方は「問題が解消されるまで、10年間の制限は無い」ことが定められています。
・ 育児・産休中の方 ・ 疾病や災害に遭われた方 ・ 生活保護受給者 ・ 大学に在学中の方 ・ 海外に派遣された方
このほか、第一種奨学金の「所得連動返還型無利子奨学金」を利用している方の中で「収入が安定しない」方に限り、適用期間の制限無く、返還の猶予が認められています。
利息ありの第二種奨学金と比較すると、利息のない第一種奨学金は、さまざまな面で優遇されています。
第一種奨学金の中で「所得連動返還型無利子奨学金」を利用する学生は、所得が安定するまで期限なく、返還猶予が申請できるなど、第二種奨学金よりも返済負担の少ない奨学金制度です。
これに比べて、第二種奨学金は利息もあり、返還が難しい時にも猶予の申請が難しく、経済的困難な状況に陥りやすいといった、大きなデメリットを持っています。
卒業後に経済的な問題を抱えないよう、奨学金の申請は慎重に行いましょう。返還の負担を無くすには、在学中にすべての返済が終えられる奨学金制度(新聞奨学生など)を利用するか、付与型の奨学金制度を利用してください。
このほかにも、返済額を半分にできる「減額返済制度」が利用できます。適用は1年で、最長10年まで申請できます。経済的、災害や疾病に遭われた方は、減額返済制度を利用しましょう。