ここでは、日本学生支援機構の奨学金制度について、詳しく説明しましょう。
「日本学生支援機構」とは、JASSO(Japan Student Services Organization)の略称でも知られる、独立行政法人の名称です。JASSOは、学生への奨学金の貸与のほか、海外への留学支援、外国人留学生への奨学金の給付などを行っています。
日本国内の進学に対しては、貸与型の奨学金しか利用できず「奨学金という名の学生ローンにすぎない」と、日本学生支援機構の制度に対して、不満を訴える社会人・学生も多いです。
入学前に予約をする「予約採用」もしくは、学校の入学後に申請する「在学採用」の二種類から、奨学金の申し込みができます。
採用の基準は、学力と家計の状況、人物、健康状態などを見て、奨学生の採用が決定されます。
奨学生として採用されると、毎月決められた日に、決まった金額が(学生の口座)に振り込まれます。振込予定日や返済日は、日本学生支援機構のホームページから確認できます。
日本人学生の「海外留学」に対しては、給付型と貸与型の奨学金で就学支援を行っています。
また、海外の留学生に対しては「給付型の奨学金」で手厚くサポートを行っており「留学生ばかり優遇し、日本の学生を苦しめている」など、制度の見直しを求める声も、多く上がっています。
日本学生支援機構の奨学金は、民間や地方自治体の奨学金制度に比べて、採用枠が多く「誰にでも利用しやすい」というメリットがあります。
しかし、大多数の学生は「利息あり」の第二種奨学金しか利用できず、卒業後の返済負担に苦しめられるなど、返済負担の重さが、大きな社会問題になっています。
また日本学生支援機構は「債権回収」を民間に委託しており、返済が遅れると、電話による取り立て、葉書による支払い督促の通知を何度も行います。
奨学金を延滞すると、年10%の遅延利息が発生するほか、3カ月以上の延滞で、信用情報機関に事故情報が掲載(俗にいうブラックリスト)され、ローンやクレジットカードの新規発行、利用の継続が困難になります。
万が一、支払いが長期間(9カ月以上)に及ぶと、差し押さえや提訴に追い込まれるなど、厳しい取り立てが続きます。
多くの方が利用している日本学生支援機構の奨学金ですが、その中身は2種類に分かれています。
第1種奨学金と第2種奨学金です。簡単にいえば
もし第1種奨学金の条件を満たすことができるなら、積極的に第1種の方を狙って申し込むとよいでしょう。
日本学生支援機構の奨学金は、借りやすいイメージが強いのですが、返済負担の重さを知ってから、慎重に申し込む必要があります。
卒業後の返済負担を無くすには、借りる「奨学金」ではなく、稼ぐ「奨学金」や、もらう「奨学金」を優先し、利用しましょう。