奨学金の使途には、制約は設けられていませんが、原則として「進学に必要な費用」として使うよう支給されています。
奨学金の使途は、学費だけではありません。多くの学生は、学費の納付後、教材費の購入、下宿費、食費や生活費、クラブやサークル活動費としても奨学金を利用しています。
ただし、遊びに奨学金を利用するのは倫理上良くありません。一部の奨学金の中には、学費や進学に掛かった証明書の提出が必要なケースもあります。奨学金は、進学や進級に必要な費用として利用してください。
生活費と奨学金で「利用する銀行口座」を分けておけば、学費の納入や授業料の支払いには便利です。
奨学金の使い道は学費に充てることですが、必要になるのは授業料だけではありません。特に注意が必要なのが、入学の際に必要になる入学金です。入学金は、期日の早い入試制度の場合、入学前年の10月や11月に必要になることもあります。入学は半年先でも、まとまった額のお金が必要になるのです。 経済的に苦しいご家庭の中には奨学金を入学金に充てようと考えている場合もありますが、入学金は振込みの時期が早いため最も利用者が多い奨学金である日本学生支援機構の奨学金では間に合いません。入学金を各ご家庭で用意できないという場合は、国の教育ローンや、民間の教育ローンを申請する必要があります。教育ローンは種類によって年齢や審査基準が大きく変わるため、その部分でも注意が必要です。
→ 詳しくは「入学金に充てられる奨学金と充てられない奨学金」を参照
学科によっては、教材費や材料費が高額になることもあります。特に、芸大や音大は、学費以外の経費が掛かる分野です。教材費の購入に関しては、学費の範囲内と捉えて良いでしょう。
このほか、所属する学科によって、国内・海外での研修費用にお金がかかることがあります。この場合の渡航費も(ある程度は)奨学金の範囲でカバーしても構いません。ただし、学費の納付を最優先し、足りない分はアルバイトで補うようにしましょう。
進学と同時に下宿費用が必要になります。物件によっては、礼金や敷金がかかってきます。また、月々の水道やガス、電気代などの光熱費も別途必要ですが、学生の間は、なるべく贅沢をせず、学業を優先するようにしてください。
クラブやサークルの活動費は、各部によって金額が異なります。場合によっては、道具の購入や、遠征費用に多額の費用がかかることもあります。ただし、学費に負担のかかる部活動は、なるべく控えるようにしてください。